イラストに使用するペンについての考察

絵を描く時に使用する道具は、多種多様だと思います。その中でもとりわけペンは数多くの種類があり、絵を描くだけでなく、文字を書く際にも常用されています。

イラストを描き始めた際、鉛筆で紙に描いていましたという人は多いのではないでしょうか。

逆に、昨今ではデジタル環境の進化、浸透により、デジタル環境を手に入れたので絵を描き始めた。という人も多いと思います。

アナログが得意な人はデジタルが不得意で、デジタルが得意な人はアナログが不得意である、というのはよくある話です。どちらも使えるにこしたことはないのですが、そう上手くはいかないのが実情だと思います。

この、扱う環境によって出る不具合がなぜ起きるのかを考察していたのですが、おそらくペンの違いが最も大きいのではと仮定しています。

ペンの違いというのは、想像以上に大きいです。
デッサンをする際も、扱うペンによってその性質も描き心地も相当変わってきます。
鉛筆でデッサンをする際は、2Hから6Bなど、あらゆる濃さの鉛筆を用意します。影や明るさの表現が、鉛筆の濃さの違いで書きやすい、書きにくい、表現しやすいしにくいがあるからです。
鉛筆の数値は、濃さだけが違うのではなく、その柔らかさも違います。Bの数値が高いほど柔らかく、Hの数値が高いほど固くなっています。この時点で、同じ鉛筆だというのに書き心地が大分違ってきます。
また、鉛筆で行う精密デッサンとは違い、木炭だけを用いたクロッキーなどもあります。こちらは単一の木炭を用いて、おおらかな絵を描いていきます。この時の書き心地は濃い鉛筆のさらに上をいく柔らかさで、ぬるっとした感覚で絵を描きます。

デジタルは逆に、同じ固さのペンを用いて、ペンのシステムごとに別の表現を書き加えていきます。例えば、デジタルで木炭ペンツールがあったとしても、実際の木炭とは書き心地が天と地ほども異なるのです。

このように、ペンの種類というのは複雑で、それゆえに、扱う人間の脳を混乱させる。それが、アナログとデジタルの不得意を生み出すのだと思います。。

この、脳の混乱を改善するには、ペンが複雑であることを念頭において、使いたいペンの仕様を、自分の得意な仕様とすり合わせる事が重要だと思います。ペンを複数扱うというのは、思っている以上に難易度の高いことなのだと思います。

絵を描くことは考えることと同意義だと私は思います。ですから、ペンが上手く扱えないときは、一度絵を描くことを置いて、深く考える癖をつけてみるのはどうでしょうか?
普段やらないことがやりたいことの貢献になることは多いので、ぜひご参考ください。