去年の末ごろから、お絵描き環境をデジタルにフル移行しました。
もともとはアナログで絵を描くことを主にしていて、どちらかといえばデジタルで1から描くのは苦手な方でした。
アナログのなにが良いかといえば、なんといっても紙に描いた際の描き心地です。ペン先と紙の適度な摩擦が心地よく、これが好きでデジタルに移行できない方も多いのではないでしょうか。
また、紙とデジタル画面では、その発光の具合も違います。紙は自ら発光はしないので、自然光を吸い取る形になり、見え方が優しくなります。
デジタル画面は逆に自ら発光するので、少しまぶしい印象がありました。
率直に言えば今でもアナログのほうが好きなのですが、それでもデジタルに移行しようと思ったのは、単純に効率の違いが顕著だったからです。
アナログは、描いたものを描きなおすのに相当な苦労が必要です。ですが、デジタルは、描いたものを何度でも、簡単に修正することが可能です。
さらに、デジタルは道具が一つのツールに収まっており、出し入れ等の手間なく便利です。そのうえ、場所をほとんどとらず、ものの管理についてもアナログのそれを上回っていました。
私は書き心地よりも効率に気持ちが傾いていたので、居心地の良い紙を脇において、デジタルへと移行を決意しました。(今でも紙は好きで使っていますが)
ただ、やはり苦手なものは苦手だったので、まずデジタル環境をアナログへと近づける試みをしました。液タブに、やすりのように削れると評判のペーパーライクフィルムを貼り(このざらざら感が紙に近かったので、とても効果的でした。ただしペン先はえぐれるように削れたので後にステンレス芯に変えましたが)、もともと使っていた0.3ミリのシャープペンシルを1.3ミリの極太シャープペンシルに変え、デジタルペンのペン先の書き心地に慣れようとしたり、液タブの画面の明るさをかなり下げて、紙の色合いに近づけたり、特殊な鉛筆風ペンツールをたくさんDLして試してみたり、リアルA4サイズの大きさに近づけるため、液タブを縦置きにして書いてみたり。
結果的に、いろいろ試しただけあって効果があり、2~3か月ほどかけてデジタルに移行することができました。
そして、出来たら出来たで、あれほど努力していたのはなんだったのだろうか。と思うほど、上記したやり方をほとんど使わなくてもさらさら描けるようになりました。脳の馴化ってすごいですね。
私のように、アナログからデジタルへ移行する際、苦戦したり挫折した方も多いと思います。
なので、同じ悩みで苦戦している方もしいれば、成功事例の一つとして、上記のやり方をよければご参考ください。