写真をイラストに馴染ませる方法

カラーイラストを仕上げる際、「背景が描けないから写真を使いたいけど、イラストに全くなじまない……」「綺麗な写真素材を手に入れたけど、いざイラストにつけてみたら全くなじまない……」等、失敗や挫折したことはありませんか?

今回は、そんな「イラストの背景に写真をつけてみたけど、絵とまったくなじまない」というお悩みを解消するコツをご紹介します。

【カラーラフを用意する】

全体の色味の下準備として、まずはカラーラフを用意します。
本気イラストほど真剣に練り込んだ絵でなくとも大丈夫です。ささっと描いてささっと好きな色をべた塗りしてください。

べた塗りが終わったら、好みの雰囲気で色を足していってください。

カラーラフの完成です。
カラーラフはこの段階で、レイヤーを統合してください。

【背景写真を用意する】

カラーラフが完成したら、次に、イラストの背景に組み込む写真を用意してください。

今回は、「 CLIP STUDIO ASSETS 」より、無料の背景写真をお借りします。
(こちらの写真は当サイトの素材ではありません。こちらの写真を借りたい場合は、 CLIP STUDIO ASSETS 様に移動し、そちらの規約に沿って拝借してください)

用意した写真を、さきほど完成したカラーラフの背景に組み込みます。

次に、色相・彩度・明度ダイアログを開き、背景写真の色相を変化させてください。
背景の色相が、手前のイラストと一番合う場所まで変化させることが出来ればOKです。

次に、色相を変化させた背景写真の中から、※色の割合が少ない色※をスポイトで採取します。
乗算レイヤーを一番上に作成し、統合したカラーラフにクリッピング。乗算レイヤーに、先ほど採取した色を塗りつぶします。

塗りつぶし終わったら、乗算レイヤーの不透明度を好みの数値に下げ、ハイライトにかかる場所を選んで、乗算レイヤーを消しゴムで消していきます。

これで、背景写真と馴染んだイラストの完成です。

1からすべて自分の手で描けてしまえば理想的なのですが、そんな時間がない人も、そこまでの技術がまだない人も、いろいろいらっしゃると思います。そういう時に、写真がイラストに使えれば便利ですよね。
写真の持つ情報量は高く、イラストに組み込めるだけで見栄えがとても高くなりますし、なにより写真が扱えれば完成度を上げつつ時短になります。

この方法でしたら、色んな色味に対応しつつ綺麗に写真を馴染ませることができますので、ぜひご参考、ご活用ください。